Up 「ひもつき補助金と官僚支配」との同型 作成: 2010-07-03
更新: 2010-07-03


    交付金を削減された国立大学は,収入の方法を競争的配分の獲得に求める。
    競争的配分を得るための文書を作成する。
    ためにするわけであるから,これは研究やプロジェクトの作為である。
    競争的配分で得た資金から収入をつくる方法は,科研費の「間接経費」のやり方と同じである。 暗黙的か明示的かの違いがあるのみである。

    そしてこの場合,たとえば30%分を真水の収入にできたということは,70%分が税金の無駄遣いだったということである。 競争的配分のシステムは,無駄遣いのシステムになるのである。

    競争的配分のシステムは,無駄遣いのシステムになる。
    そこで,今日緊縮財政を強いられている地方自治体は,「ひもつき補助金の廃止と一般交付金への転換」を主張する。
    しかしこの主張は,一向に通らない。
    なぜか?
    行政は,「一般交付金の削減とひもつき補助金の比重増」に向かうものだということである。
    国立大学に対する交付金削減と競争的配分の比重増も,これである。


    行政が「一般交付金の削減とひもつき補助金の比重増」に向かうメカニズムは,「官僚の権益」「省益」といったことばで説明される。
    実際,税金の配分をひもつき補助金にすることは,官僚支配・省支配の方法になる。 官僚・省は配分が自分たちの<胸三寸>のことであるように外に見せることができ,そして配分を受ける側はこれを官僚・省の<胸三寸>と思うようになるである。

    ひもつき補助金システムは,また,天下り先行政法人をつくることを容易にする。 これも,ひもつき補助金のシステムが「官僚の権益」「省益」に適うということの内容になるものである。
    「国立大学の法人化」施策では,「大学評価機関」がつくられている ( 「学位授与機構」→「大学評価・学位授与機構」(2000.4))。