Up 無用な業務の累積 作成: 2010-06-27
更新: 2010-06-27


    「国立大学法人」の発想は,国立大学が利潤追及型企業として自活するようになるというものである。 しかし,国立大学は,利潤追及型企業として自活する道は進まない。 いろいろなやり方で,経費を国から引き出そうとする。

    「いろいろなやり方」は,「競争的配分の利用」のことばで括ることができる。
    プロジェクトの概算要求や科研費申請は,競争的配分の利用である。

    金策として競争的配分を利用しようとするとき,それは,本来必要としていないことの実施を無理矢理つくり出すものになる。 そして,この本来必要としていないことは,後に残る。

    実際,プロジェクトは,概算要求書で示した期間が終了したところで,その間に起こったことが無くなるのではない。 プロジェクトでやったことは,いろいろな形で後に残る。 本来必要としていないことの実施の後には,本来必要としていないことが残る。

    金策として競争的配分を利用するとは,<本来必要としていないことの実施を無理矢理つくり出す>を延々と続けるということである。
    こうして,本来必要としていないことが累積されるばかりとなる。