Up 雲の種類」ってどういうこと? 作成: 2022-12-25
更新: 2022-12-25


    人が事象を対象化する方法は,命名である。
    ──翻って,命名されていない事象は対象化されていないものである。

    人は,雲を捉えるために,雲に名を与える。
    「十種雲形」は,こうしてできたものである。


    ○○雲と△△雲の見分けがつかない」の物言いを聞く。
    「十種雲形」には,「雲は十種雲形のどれかである」という意味はない。
    実際,見分けのつかないその「○○雲」と「△△雲」は,連続している。
    「見分け」を欲しているが,それは連続体を切り分けることである。
    それは,<無理矢理>をやるということなのである。


    「十種雲形」で区分しようとするときは,「上層雲・中層雲・下層雲・対流雲」の区分を先行させることになる:
        上層雲 (巻雲,巻積雲,巻層雲)
        中層雲 (高積雲,高層雲, 乱層雲)
        下層雲 (層積雲,層雲)
        対流雲 (積雲,積乱雲)
    高度の違いは,雲の重なりぐあいからわかる。
    そして,明らかな高度の違いは,「上層雲・中層雲・下層雲・対流雲」の適用が当たりやすい場合である。

    但し,ここでも<連続>が問題になる:
      「上層雲と「中層雲」は連続している。
      「中層雲」と「下層雲」は連続している。
      「下層雲」の層積雲と「対流雲」の積雲は連続している。


    大気の動きは,高・中層よりも低層の方が複雑になる。
    高度が低いほど複雑な地勢の影響を受けることになるからである。
    そして,大気の動きが高・中層よりも低層の方が複雑になるということは,雲は高・中層よりも低層の方が多彩になるということである。
    「層積雲」は,この多彩を一手に引き受けている。

    実際,「層積雲の形」というものはない。
    「層積雲」は,「低層雲であって,層雲ではない」をこれの意味にするしかないといったものである。


    というわけで,雲は分類を神経質に考えるものではない。
    実際,雲観察の肝要は,「多様性」「連続性」の観点である。