Up セイヨウタンポポがはびこる理由 作成: 2021-06-01
更新: 2021-06-01


    人の住むところは,外来種が在来種を駆逐するところになる。
    人が住むのに便利として改造する地勢は,外来種が在来種を駆逐するのに便利な地勢となるからである。

    人の住むところは,セイヨウタンポポでいっぱいである。
    タンポポの葉は,地面を横に這う。
    したがって,縦に伸びる草が密に生えるところには生育できない。
    日本は温帯モンスーンの地なので,草が繁茂する。
    人間はこの草を「雑草」としてせっせと刈っていわば沙漠化し,沙漠適応のセイヨウタンポポが生きるのに格好の場所にしてくれる。


    在来種のタンポポは,自然の攪乱でできた(さら)地に生えるように生きている。
    この更地にはじきに背の高い草が侵出してくる。
    よって,在来種タンポポにとって,繁殖力を強くすることは無駄なことになる。
    無駄なことはしないのが<適応>であるから,在来種タンポポの繁殖力は強くない。
    一方,沙漠種セイヨウタンポポは,繁殖力を強くしただけ繁殖できるから,強い繁殖力をもつことになる。
    こうして,セイヨウタンポポは在来種タンポポをすっかり駆逐するようになる。

    「セイヨウタンポポが在来種タンポポを駆逐」は,「セイヨウタンポポの侵略」という話ではない。
    「人間がセイヨウタンポポを招き入れ,世話する」という話である。