Up 「強いカラダ」の意味 : 要旨 作成: 2015-09-05
更新: 2015-09-05


    雑草のカラダは,華奢である。
    やさしく持たないと,折れてしまう。

    一方,雑草は,人には厳しそうに見える自然の中で,カラダを保っている。
    雑草のカラダは,風雨によっては損なわれない。
    これは,自然が「優しい自然」になるようなカラダを実現していることを意味する。
    実際,カラダのつくり方次第で,自然は厳しくもなり優しくもなる。


    雑草は風雨を受け流すカラダをつくっている。
    「風に柳」である。
    「風に柳」のカラダは,「しなやか」のことばで表現される。

    雑草のストラティジーには,「受け流す」の他に,「やり過ごす」がある。
    「やり過ごす」の方法は,「身をかがめ,頭上を通過させる」である。
    暴風雨も,地表近くは穏やかである。
    身の丈の低い雑草は,暴風雨をやり過ごしている。


    強いカラダとは,保たれるカラダのことである。
    自然に対し抵抗の大きいカラダは,保たれない。
    カラダを保つには,抵抗を小さくする。
    雑草のカラダは,これの実現である。
    雑草のカラダは,強い。

      頑丈なカラダは,強いカラダではない。弱いカラダである。
      「頑丈を以て防災」は,雑草のとるストラティジーではない。
      頑丈構造物は,自然を「自然の脅威」にする構造物である。
      自然に対抗しようとする構造物は,「自然の脅威」がこれを粉砕する。
      自然に対抗などはできない。
      雑草の強さを知ることは,同時に「自然に対抗」の愚を知ることである。