Up | 訴訟社会 : 要旨 | 作成: 2016-04-29 更新: 2016-04-29 |
上の訴訟判決の報道から,つぎのことを知る: 東京電力の「避難と死亡との因果関係は争わず,賠償額が主な争点」は,つぎがこれの<理>である:
賠償支払いは,電気料金値上げ・その他で応じられる。 よって,独りですべてをかぶって/独りにすべてをかぶらせて,金で解決してしまうのが最良。 訴訟社会は,「金で決着」の系である。 損害賠償を得られる事案を,人がさかんにセンシングするようになる系である。 人のこの運動を駆動・制御する機序として,弁護士ビジネスがますます露出してくる系である。 「原発事故災害後」は,この「訴訟」ステージに入っていく。 ひとは,この様を見る。 そして,退いてしまう。 現れてくる絵が,どれも非常識な絵だからである。 もともと,法の世界は,非常識の世界である。 律を推すと,非常識になるのである。 黒が白になり,白が黒になる。 非常識な絵がはびこり,物事の本質が駆逐される。 実際,法廷を真理の場のように思っている者は,いない。 法廷は,ギャンブルの場である。 勝訴は<うまくいった>であり,敗訴は<うまくいかなかった>である。 それ以上でも以下でもない。 ただし,裸の王様に対し「裸だ!」を言わないことが,社会を保つということである。 法廷は,ひとのこの配慮で保っている。
そして本論考は,生態学として,裸の王様の裸を論じているわけである。
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