Up 2019-03-06,隣のハシブトガラス (ブトa) の存在 作成: 2019-03-06
更新: 2019-03-06


    ボソ01 のなわばりは,隣のなわばりの主がハシブトガラスa (「ブトa」) である 。
    ブトaがそばにいるときは,ボソ01 の行動はブトaに見られている。
    そして,本実験でのボソ01 の採餌行動は,ブトaが餌の横取りを狙うところとなる。

    ボソ01 も,ブトaがそばにいるときは,すぐには餌に向かわない。
    機会・間合いをうかがい,いい加減のところで,行動に移る。
    この状況で行動を起こすのは,♂の方である。

    ♂は,電線にとまって,ブトaの動きを監視する。
    そして,ブトaがこちらにやってくると,鳴き声を発する。
    これは,♂に対する「ブトaが来たぞ!」と,ブトaに対する「来るな!」の二つの解釈が立つ。


    こういう状況なので,実験は行うのがなかなか難しい。
    ブトaがいないのを見計らって実験するわけであるが,しばしば判断を誤る。
    <姿は見えないが,こちらを見ている>に当たってしまうわけである。


    ハシボソガラスは,餌がよほど細かいかあるいはゆるゆるでないと,呑み込んだり喉袋に貯めたりができないようである。
    よって,ボソ01 の採餌は,餌が固形物でちょっとでも大きめになると,ブトaから狙われることになる。

    ただし,実際に横取りが起こるのは,ブトaがカップルで行動するときである。
    1わのときは行動しない。また1わだとボソ01 から追い払われることもある。
    数の力学が働いているようである。

    ブトa(カップル) による餌の横取りは,だいたいつぎのようになる:
    • ボソ01 が,餌を口に加えた格好で,ブトaを見回す。
    • ここで「ままよ」とばかり飛び立てば,ブトaが追いかける。
      このときは,ボソ01 が結局あきらめ,飛行中に餌を離すようである。
    • 飛び立たずにその場で餌をついばめば,わたしを警戒してか,ブトaは降りてこない。