Up 「地域消滅」 作成: 2024-09-09
更新: 2024-09-10


    財政は,自主・自助が困難な地域に補助金を支出する。
    この支出は,国の身の程知らずの額になっていく。
    財政は,これは続けられることではないと思う。
    そこで,支出の削減に乗り出す。

    この財政が支出削減を特にしたくなる地域に,中山間地域がある。
    そこは,限界集落化が進んでいるところである。
    若者は流出し高齢者が残るばかりなので,消滅の一途である。
    しかしそういうところでも,行政はインフラを維持するのが務めである。
    それは,ひどくコスパが悪い。

    特に道路。
    ふもとから集落までの道路は長い。
    そして斜面を削って通したところが多く,そこは下と上の両方から土石が崩れ落ちる。
    道路の修復をするのは地元の土木業者だが,これで金が得られるので,コスパの悪さは関係ない。
    しかし,金を出す側の財政は,コスパの悪さに拘ることになる。
    消滅が見えているとことへの支出は,抑えたくなる。


    地域への支出削減は,地域の消滅を加速する。
    ここに,地域消滅を絶対悪にする者が,財政の支出削減策に対決姿勢をとる。

    彼らは,財政の「無い袖は振れない」を無視する者であるから,「財政破綻は無い」を立場にしていることになる。
    「無い袖は振れない」は本当であるから,彼らはイデオロギーである。

    地域消滅を絶対悪にする点でも,イデオロギーである。
    地域の消滅は,内側からの崩壊が理由だからである。


    「地域が消滅する!」のことばを使うイデオロギーは,このことばを使うことで相手に対しマウントをとれると思っているので,このことばを使う。
    しかし,このことばでマウントをとれると思っているのは,思い違いである。
    相手は,「この地域はもう終わっているな」と思っているのである。

    地域消滅を財政の無能・愚行のせいするのは,無理矢理これをするというものである。
    その無理矢理をせばならないところが,このイデオロギーの弱みである。