Up 米余り・古米処理 作成: 2024-09-13
更新: 2024-09-13


    食管制度の下,米は余るようになっていく。

    米配給制は,米余りになるとどうなるか?
    米配給制は生産米全量買い取りなので,生産量から配給量を引いた分が,倉庫に貯蔵となる。
    これは古米になる。
    つぎの年も米は余り,生産量から配給量を引いた分が倉庫に貯蔵され,古米になる。

    米は(なま)ものであり,貯蔵は低温貯蔵である。
    これは金を食う。
    そして古米は,順次処分するしかない。
    飼料等への転用が成っても,元値より安く売ることであるから,損失である。
    ただ廃棄するのも,金がかかる。
    こうして,余剰米の貯蔵・処分は,大きな財政負担になる。
    そして米が余るほど,この財政負担は大きくなる。

    財政負担は,これだけではない。
    米配給制は,買い値と売り値が逆ザヤになってしまうものである。
    この逆ザヤの分が,また大きな財政負担になる。
    そして米が余るほど,この財政負担は大きくなる。

    こうして米配給制は,米余りになるとたちまちほころび,崩壊する。

農水省「最近の米をめぐる状況について」, 2024. p.5 から引用: