Up | 生産調整 (「減反」) | 作成: 2024-09-07 更新: 2024-09-07 |
そこで,「主食米を品薄気味に」を政策にするようになる。 「減反政策」というわけである。
主食米を品薄気味にすることは,人の米離れを促すことになる。 これは,価格の問題である。 ひとは,米が嫌いでパンや麺類を食べるわけではない。 「米食はパン・麺類食と比べて食費がずっと安い」だったら,ひとは米食に向かうのである。 そして米離れは,米余りを招く。 こうして,「減反政策」は止まらないものになる。──無限スパイラル。 ひとは,「余剰米の有効利用を考えれば,米生産を安定させられるのではないか」と思う。 「減反政策一点張りの農水省は,頭が悪いのではないか」と思う。 そうではない。 余剰米の量は,一定しない。 余剰米の有効利用のシステムは,弾力的な大循環システムということになる。 そして,弾力的な大循環システムをつくって運営するということは,人間のできることではない。 端的に,人間は計画経済をできない。 経済は,アダム・スミスの謂う「神の手」の領域なのである。 人間を買い被っちゃあいけない。
然り,そうである。 政治は人間のできることではない。 だからいつもゴタゴタしているのである。 この論の要点は,「米不足・米余り・米離れ」は,「どこかが間違っていて,それを直せば問題は解決する」という話ではないということである。 この論の要点は,「どうしよもない」「人間万事こんなもんだ」である。 |