Up | 「対策ゼロなら40万人死亡」 | 作成: 2020-04-15 更新: 2020-06-29 |
単純モデルを立てる者に,よくあるパターンである。 単純モデルを立てる者は,「こんな数値だったらすごいな」の数値を予め想っていて,モデル計算でこの数値ないしさらにすごい数値が出るとすっかり興奮してしまい,その数値を信じてしまう。 「対策ゼロ──いつも通りに」の国として,2例が挙がる。 スウェーデンとブラジルである。 この二つは,「いつも通りに」の理由も異にしている。 スウェーデンは,「いつも通りでかまわないだろう」である。 ブラジルは,「いつも通りでいくしかない」である。 ( 「ブラジル:新型コロナ死者2万人」の読み方) で,二つの国は,いまどうなっているか。 6月27日現在の死亡数が,つぎのようになっている:
スウェーデン,ブラジルの総人口をそれぞれ 1004万人,21105万人として,100万人あたりの死亡数をこの表にくわえると:
ここで,つぎの事実も加味せねばならない:
上の表に,インドを加えてみよう:
さらに,日本の「対策ゼロ」の場合として,インフルエンザの死亡数をこの表に加えるとしよう (日本(イ))。 2017年まで遡って,12月〜6月で死亡数がいちばん多いところをさがすと,2017年12月〜2018年6月の 3339人 になる──ちなみに,2018年12月〜2019年6月は 3304人。
仕上げに,「対策ゼロなら40万人死亡」を100万人あたりの死亡数にしたものを表に加える (日本(コ)):
「対策ゼロなら40万人死亡」がいかに途方もないことを言っているかは,見ての通りである。 しかも,これを発表した4月15日の時点では,新型コロナがせいぜいインフルエンザ並みのものであることが,はっきりしていたのである。 |