Up | 「エントロピー増大 = 不可逆」は間違い | 作成: 2017-06-26 更新: 2017-07-02 |
水にインク液を垂らすと,インクは拡散し,水全体と一様に混ざる。 この拡散には,「エントロピー増大」が適用できる。( 「混ざる」) しかし,この拡散を「不可逆」と言うことはできない。 この拡散に「エントロピー増大」を適用するときは,拡散を確率事象としてとらえる。 このときは,「確率が限りなくゼロになる (ゼロではない)」を「不可逆」と呼ばねばならない。 しかし,「確率がゼロではない」は,「可逆」のうちである。 ムクドリの集団飛行は,集団の形を目まぐるしく変える。 そしてそれは,その都度,平衡の実現になっている──「動的平衡」。 この平衡は,「エントロピー」の概念を適用するものではない。 ただしその理由は「可逆」ではない。 実際,現実の事象はどれも,もとの形に再現されることはない。 |