Up 系は,多様性が増大する状態へ推移する 作成: 2017-07-11
更新: 2017-07-11


    長方形の箱に,同数の赤玉白玉を入れて,よく振る。
    これは,赤玉白玉が均質に混ざった状態で,定常になる。
    個々の玉はその都度位置を変えているので,この「定常」は動的定常である。

    赤玉白玉が均質に混ざった状態は,すべての玉を配置するその組み合わせ数が最大になる状態である。
      簡単な場合として, 赤玉白玉それぞれ4個,計8個を,箱の右側と左側にそれぞれ4個ずつ分ける組み合わせの数は:
        状態 多様性
        組み合わせの数  loge ─ 
        右に赤4  4C4 × 4C0 = 1 × 1 = 1  0
        右に赤3白1  4C3 × 4C1 = 4 × 4 = 16  2.77 
        右に赤2白2  4C2 × 4C2 = 6 × 6 = 36  3.58 

      また,赤玉白玉それぞれ10個,計20個の場合だと:
        状態 多様性
        組み合わせの数  loge ─ 
        右に赤10  10C10 × 10C0 = 1 × 1 = 1  0
        右に赤9白1  10C9 × 10C1 = 10 × 10 = 100  4.61 
        右に赤8白2  10C8 × 10C2 = 45 × 45 = 2025  7.61 
        右に赤7白3  10C7 × 10C3 = 120 × 120 = 14400  9.57 
        右に赤6白4  10C6 × 10C4 = 210 × 210 = 44100  10.69 
        右に赤5白5  10C5 × 10C5 = 252 × 252 = 63504   11.06 
       「混ざる」

    「よく振る」は,すべての玉を配置するその組み合わせ数が最大になる状態へ推移する。
    これを一般化すると,「系は,多様性が増大する状態へ推移する」になる。