Up 「比例定数」 作成: 0000-00-00
更新: 0000-00-00


    二量の間の比例関係(関数)fからは,つぎのように「測定値の対応」として,数の対応が導かれます。そして,この数の対応は「一定数倍」になります。──実際,f(u) を v で測った数値 a が,その定数になります。
    特に,定数aは,uとvに依存します (単位u, vを変えると,aの値も変わります)。

    aは「uとvに関するfの表現数」と呼ぶべきものですが,「比例定数」がこれの伝統的な言い回しです。


    どうして「一定数倍」になるのか,確かめるとしましょう。
    量に対する数の倍作用を で表すことにします。 「f(u) を v で測った値が a」とは,f(u) = v a ということです。 また,u で測った値が n であるとは, u n ということです。 このとき, f() を v で測った値が n × a であること,すなわちf() = v (n×a) が,つぎのように導かれます:
 f()
=f(u n) u n)
=f(u) (f が比例関数であることの条件)
=(v a) (f(u) = v a)
v (a×n) 数の積の定義
v (n×a)

    例: 比例関数「2m/秒」では,
    (1) 秒とmに対する比例定数は 2:

    (2) 分とmに対する比例定数は 120:


    比例定数は,小学算数ではつぎのような場面に現れています。

      ある速さの<時間-距離の対応表>の問題:


      (1)比例の意味の「一方が2, 3, ‥‥倍なら他方も2, 3, ‥‥倍」を適用すれば,?=6×4。
      (2)「測定値の対応は一定数倍」を適用すれば,?=8×3。