Up 構造的認識 作成: 2010-08-31
更新: 2010-08-31


    「構造主義」という言い方をすると,何やら思弁的・哲学的で,したがって抽象的な思考傾向を念頭においているように感じられるかも知れないが,そうではない。
    構造主義は,構造的認知である。

    例えば,「時差」の捉えを考えてみよう。
    時差の知識を「こことここの時差はこれだけ」の形でもっているのと,時差の構造を了解しているのとでは,時差の認識が違っている。 そして,時差の構造の理解には,天体としての地球の知識と数学の力が要る。 実際,「24時間で1回りするので,経度の15度の違いで1時間の時差が発生する」の計算のできることがが必要なわけである。

    構造的な認識には,数学が必要になる。
    翻って,数学をもたないとは,平板的な認識に留まるしかないということである。