本論考は,「なぜ学校数学か?」の問いに答えを与えることを目的に,「なぜ学校数学か?」の論考を改めて主題化しようとする。
そして,この主題化は,論考のフレームを考えるところから始めることになる。
実際,論考フレームは,この場合自明ではない。
また,「なぜ学校数学か?」への答え方としてここで考えているものは,主流のものとはだいぶ異なる。
そこで論考フレームには,主流の考え方との対比・対照がわかりやすく示される形であることも,求められてくる。
以上の点を踏まえ本論考が与えるフレームは,つぎのものである:
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本論考の考え方 |
主流の考え方 |
哲学 |
経験主義/プラグマティズム |
合理主義/表象主義 |
学校数学意義論 |
成長論 |
人材論/出口論 |
学校数学有用論 |
「無用の用」 |
道具主義 |
学校数学形態論 |
体系主義/構成主義 |
問題解決学習主義 |
そして,このフレームをつぎの章立てで構成しようとする:
- 「なぜ学校数学か?」の答えを主題化する理由
- 出口論
- 成長論
- <学校数学による成長>の内容
- 「無用の用」
- 学校数学の形
本章「論考フレーム」では,この構成の内容を概説していく。
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