Up 要 旨 作成: 2010-08-16
更新: 2010-09-29


    本論考は,「なぜ学校数学か?」の問いに答えを与えることを目的に,「なぜ学校数学か?」の論考を改めて主題化しようとする。 そして,この主題化は,論考のフレームを考えるところから始めることになる。 実際,論考フレームは,この場合自明ではない。

    また,「なぜ学校数学か?」への答え方としてここで考えているものは,主流のものとはだいぶ異なる。 そこで論考フレームには,主流の考え方との対比・対照がわかりやすく示される形であることも,求められてくる。

    以上の点を踏まえ本論考が与えるフレームは,つぎのものである:

      本論考の考え方      主流の考え方   
    哲学 経験主義/プラグマティズム 合理主義/表象主義
    学校数学意義論 成長論 人材論/出口論
    学校数学有用論 「無用の用」 道具主義
    学校数学形態論 体系主義/構成主義 問題解決学習主義

    そして,このフレームをつぎの章立てで構成しようとする:

    1. なぜ学校数学か?」の答えを主題化する理由
    2. 出口論
    3. 成長論
    4. <学校数学による成長>の内容
    5. 「無用の用」
    6. 学校数学の形


    本章「論考フレーム」では,この構成の内容を概説していく。