Up | 「役に立つ/立たない」の意味を自明にしない | 作成: 2009-08-26 更新: 2009-08-26 |
<役に立つ>は,単純なできごとではない。 言えば当たり前のつぎの点に,注意しなければならない:
翻って,「成長に役立つ」以外の「役に立つ」というのは,あるのか?
<役に立つ>がカラダのことになると,<役に立つ>を述べることはできなくなる。 しかし,つぎのように言いたくなる:
合理主義に立てば,これは無学が言わせることばである。 経験主義は,言語では太刀打ちできないものを考える──言語の分限という問題の立て方をする。この経験主義に立てば,「<役に立つ>は言い表せないが,きっと当たっている」はあり得る言い方である。 「複雑系」ということばは,言語では太刀打ちできないものを言い表すことばとしても使える。 「複雑系」のこの意味で,<役に立つ>は複雑系である。 本論考は,経験主義の立場で,<役に立つ>の問題を複雑系の問題として捉えようとするものである。 |