Up はじめに 作成: 2009-11-16
更新: 2011-08-11


    学校数学の<なに・なぜ>へ答えは,学校数学に対していわれる「役に立たない」を,退けるのではなくて,引き受ける形のものでなければならない。 なぜなら,「役に立たない」は実際のことだからである。

    「役に立つ・立たない」を日常語の意味で使うとき,根本的に必要なものは「役に立たない」。
    学校数学は,この根本的に必要なものに類し,そして「役に立たない」。

    さらに,日常語の「役に立たない」は「要らない」になるから,学校数学は「要らない」となってしまう。
    「役に立たない」「要らない」を言わせているものは,《数学=道具》の考えである。

    翻って,学校数学を「要る」にする論法は,役に立つと立たないを両立させる論法である。
    本論考は,この論法の開発を目的とする。
    「役に立たない」を「役に立つ」と一つにすることが,ここで開発しようとする論形の要点になる。

    この論形として,ここではつぎの二つを論ずる:

    ただし,この論述をつくることは,難題である。
    論は「○○の力」の実体論になり,実体論は実感から離れていく。 実際,ことばを使うとは,実体論 (表象主義) をやることである。 ことばとはそういうものなのである。