Up | 「そもそも数とは?」の教授/学習マトリックス |
「そもそも数とは?」に答えられないのでは,自然数,分数,‥‥ を学習したことにはなりません。 「そもそも数とは?」の教授/学習マップ (マトリックス) を,以下に示します。 学校数学では,このマトリックスに対しつぎのように<個別縦断型>で教授/学習を進めていることになります:
この偏見は,新たな数が登場してこれまでの「数」理解が通用しなくなることで,壊されます: そして,<偏見>が壊されていくこの過程で最後まで壊されずに残ったものが,「そもそも数とは?」の答えになります。 実際,以下のマトリックスで,自然数,分数,‥‥,複素数の列 (コラム) を横断している行が,「そもそも数とは?」の答えになるものです。 横断型は,個別縦断型がある程度進んだ段階で,はじめて取り入れることができます。 最初にこれを行えるのは,中学数学の「正負の数」の教授/学習が終わった段階です。 そして,「複素数」(さらには「四元数」) が終わった段階で,「そもそも数とは?」を仕上げるような教授/学習へと入っていくことが可能になります。 なお,縦断型と横断型それぞれを学習できるように,オンラインブックを2冊用意しました:
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「個数」から自然数 | 「線分の長さの比」から分数 | 「正逆2方向の移動 (1次元ベクトル) の比」 から正負の数 |
「平面上の移動 (2次元ベクトル) の比」 から複素数 |
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量を対象化する | ||||
量の普遍対象 (universal object) を導入する | ||||
「個数」──普遍対象として「●」
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「線分」 が普遍対象になる量 |
「直線上の移動 (1次元ベクトル)」 が普遍対象になる量 (「正逆2方向の量」) |
「平面上の移動 (2次元ベクトル)」 が普遍対象になる量 |
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量の和 (+) を対象化する | ||||
量の和では,交換法則と結合法則が成り立つ | ||||
(p+q) +r = p+ (q+r)
p+q = q+p |
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以上で,(量, +) が構成された | ||||
量の比を対象化する | ||||
量の比を対象化する | ||||
「個数」は,2量の比で,一方が<個>, 他方が<個>のいくつと見なされているもの。 |
「線分の長さの比」を対象化する。 | 「正逆2方向の移動 (1次元ベクトル) の比」 を対象化する。 |
「平面上の移動 (2次元ベクトル) の比」 を対象化する。 |
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量の比の表現で数が出てくる | ||||
自然数
(「個数・自然数」は「量・数」として特殊過ぎて,「比」の解釈が不自然になる) |
分数
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正負の数
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複素数 (2つの表現方法)
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比は,「倍」(倍作用 x) と読める | ||||
量の表現:「単位(とする量)の何倍」 | ||||
「<個>がいくつ」 (→「個数」) |
「単位長さの何倍」 | 「単位ベクトルの何倍」 | 「単位ベクトルの何倍」 (回転と大きさの倍) |
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倍の和を対象化する | ||||
倍の和として数の和 (記号+の用法) を定める | ||||
数の和を求めるロジック/アルゴリズム/式 | ||||
数の和 + では,交換法則と結合法則が成り立つ | ||||
(m+n) +k = m+ (n+k)
m+n = n+m |
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倍の合成 (倍の倍) を対象化する | ||||
倍の合成 (倍の倍) として数の積 (記号xの用法) を定める | ||||
数の積を求めるロジック/アルゴリズム/式 | ||||
数の積 x では,結合法則が成り立つ | ||||
(mxn) xk = mx (nxk) | ||||
x の交換法則が成り立つ | ||||
数の加法+と乗法x の間の関係 | ||||
(m+n) xk = (mxk) + (nxk) | ||||
量の加法 +,量に対する数の倍作用 x,数の加法+・乗法x の間の関係 | ||||
(q x m) x n = q x (m × n)
(q x m) + (q x n) = q x (m + n) (q + r) x n = (q x n) + (r x n) |
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以上で,((量, +), x, (数, x, +)) が構成された | ||||
「数」の定義 | ||||
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「量」の定義 | ||||
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「位 (位置)」を対象化する | ||||
(「位 (空間における位置)」の対象化は不自然 ) | 位 (空間における位置) の表現 (ずらしの作用 + の導入,「基準(とする点)から単位(とする量)の何倍」) |
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直線上の位置を表現する。 | 平面上の位置を表現する。 | |||
ずらしの作用 + と量の加法+の間の関係 | ||||
(P + q) + r = P + (q + r) | ||||
以上で,(位, +, ( (量, +), x, (数, x, +) ) ) が構成された | ||||
「位」の定義 | ||||
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「個数」から自然数 | 「線分の長さの比」から分数 | 「正逆2方向の移動 (1次元ベクトル) の比」 から正負の数 |
「平面上の移動 (2次元ベクトル) の比」 から複素数 |