Up 小数求積法 作成:
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    小数の求積計算は,つぎのものです:

      2つの小数の小数点を無視して,自然数のかけ算をする。
      2つの小数の小数点以下の桁数を足す。
      この数が小数点以下の桁数になるように,かけ算で出した数に小数点をつける。

    この計算法の理由は,つぎのようになります。──例として 1.23 × 0.4 を考えます:



    「0.4」を分析:

    「10 × 123 = 123 × 10」:

    「×」の文法:

    つぎの図式に到達:

    この図式は,つぎのことを示す (「小数倍」の文法):

      「1.23 × 0.4 の表す小数は,123 × 4 の値の下 (2+1) 桁を小数点以下にしたもの。」


    このように,小数の求積計算の理由の説明は,きわめて数学的 (難解) なものになります。
    よって,小学校段階ならつぎのような指導法も「あり」でしょう:

      このやり方で,小数の積がちゃんと求められています。
       小数の積の計算法として,このやり方を覚えましょう。


    なお,「小数を分数に翻訳」と「分数の積」を既習として使うことにすれば,計算法の考え方/解釈がはるかに簡単になります:

       1. 小数を分数に替える。
       2. 分数の積を求める(分子同士をかけ,分母同士をかける)。
       3. 得られた分数を,小数に替える。

      このとき,「分子同士をかける」が「整数計算」に,「分母同士をかける」が「小数点の位置の計算」に,それぞれ相当する。