数学教育の<なに・なぜ>の考え方については,伝統的に,実質陶冶 (「数学を教える」) と形式陶冶 (「数学で教える」) の違いを立ててきた。
本論考でもこの区分をそのまま用いることにする。
学校数学は,「数学を教える ─ 数学で教える」を二極にした振り子運動 (10年ないし20年周期) を続けている:
- 「生活単元学習」は「数学で教える」の極にある。
- 「問題解決ストラティジー」で理論をつくっている「問題解決学習」も,「数学で教える」の極に近い。
- 「数学的な考え」は,「数学を教える」と「数学で教える」の中間点から両方向に伸びる感じになる。
- 1970年代の「数学教育の現代化」は,「数学を教える」の極にある。
学校数学の振り子現象──学校数学の意味づけとの関連
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