Up 復古神道 作成: 2018-09-23
更新: 2018-11-04


    国学は『古事記』を真言とする。
    これは,古事記の神々を立てるということである。
    こうして国学は,宗教になる。
       平田篤胤『古道大意(上)』
    一體(まこと)の道と云うものは,事實の上に具って有るものでござる。‥‥
    事實を記してある其書物はなにじゃと云ふに,古事記(ふることぶみ)が第一でござる。‥‥
    この御記に,天地を御始め遊はしたる神々の御事實を始め其餘の事實に,盡く萬の始め,道の趣は具って有るでござる。

    この宗教は「復古神道」と呼ばれる。
    この宗教の著しい特徴は,国粋主義になることである。
       同上
    御國ばかりで無く,(もろもろ)の外國に,人だねの生たるのも,又悪いながらも國らしくなり,夫々に物の出来たるも,皆此神の御霊に因ることで,其證據には,其國國に各々その傳へが有る


    国学は,宗教になることで,現成論 (「()前は理の()就」) になる。
    現前は,神の理の実現ということになるから,肯定的に受け入れねばならないわけである。
    しかし国学は,「古道」を正道として立てている。
    現前受容と古道は両立するのか。
    両立しない。
    国学は,自己分裂の(てい)である。