国学は『古事記』を真言とする。
これは,古事記の神々を立てるということである。
こうして国学は,宗教になる。
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平田篤胤『古道大意(上)』
一體眞の道と云うものは,事實の上に具って有るものでござる。‥‥
事實を記してある其書物はなにじゃと云ふに,古事記が第一でござる。‥‥
この御記に,天地を御始め遊はしたる神々の御事實を始め其餘の事實に,盡く萬の始め,道の趣は具って有るでござる。
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この宗教は「復古神道」と呼ばれる。
この宗教の著しい特徴は,国粋主義になることである。
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同上
御國ばかりで無く,諸の外國に,人だねの生たるのも,又悪いながらも國らしくなり,夫々に物の出来たるも,皆此神の御霊に因ることで,其證據には,其國國に各々その傳へが有る。
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国学は,宗教になることで,現成論 (「現前は理の成就」) になる。
現前は,神の理の実現ということになるから,肯定的に受け入れねばならないわけである。
しかし国学は,「古道」を正道として立てている。
現前受容と古道は両立するのか。
両立しない。
国学は,自己分裂の体である。
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