Up 「企業/組織犯罪」の視点から 作成: 2005-06-25
更新: 2005-06-25


  • 「企業/組織犯罪」の構造

      企業活動にコンプライアンスが強く求められる時代にあって,企業/組織犯罪に対する社会の眼が厳しくなっています。そしてこのような状況の中にあって(も),企業/組織犯罪が後を絶ちません。

      企業/組織犯罪の内容は,つまるところ詐欺行為です── 「顧客をだます/裏切る」。(「顧客」:製品を買ったひと,企業株主,税金を払っている国民,等々)

      企業/組織犯罪 (詐欺行為) に特徴的なのは,当事者に犯罪意識がもたれていないことです。
        (1) 犯罪性が指摘され,
        (2) やったことが,申し開きのできることではないことがわかり,
        (3) 企業/組織の大損害(転換コスト, ブランド失墜)を目の当たりにして,
      はじめて,「まずいことをやってしまった──なんでちゃんと考えることをしなかったんだろう」となるわけです。

      「当事者に犯罪意識がもたれていない」には,構造的な理由があります。すなわち,階層的指揮系統の中で「犯罪行為」は進められており,だれもが「従っている」という立場に自らを置くようになるからです。特に,「このままではまずいことになる」とはだれもが思っていても,「自分はこの危惧を表明する立場のものではない」という意識に支配されます。

      こうして,組織全体に「このままではまずいことになる」という思いが広がっているにもかかわらず,そのまずいことが進められていくことになります。

        箝(かん)口令を敷くことも当然視されます。──「危惧の表明=いま進めようとしていることのぶち壊し=反組織的行為」の空気の醸成。


  • 「本館改修工事」が孕む「企業/組織犯罪」の構造

      上に述べたように,行いは「犯罪性が指摘され,それに申し開きができない」とき「犯罪」になります。 不当に被害者を生む行いは,被害者の側からは「犯罪」になります。──「本館改修工事」計画者は,このことに十分注意する必要があります。

      1. 北海道教育大学は,教育を仕事とする企業。直接の顧客は学生。

      2. 「本館改修工事」は,「移行期間終了後」を前倒しで実現しようとするもの。旧課程から存在の場を奪うものになっている。

      3. 岩見沢校のいまの学生は旧課程の学生。彼らに対しては,卒業 (2009年3月) まで旧課程の教育を保証 (「保障」ではない) することを条件に,授業料等を支払わせているはず。また,入学時には卒業までの旧課程の教育を保証しているはず。

      わたしは,上の A, B, C を並べて見て,「このままではまずいことになる」と思っています。

      「自分はこのことを表明する立場のものではない」の蔓延とその後を警戒して,(僭越を指摘する向きもあるかも知れませんが) 危惧を表明します。

本館改修工事計画はどのような形が合理的か (2005-06-20)