Up 失敗は，特定個人の「役職の不作為」に帰せられない 作成: 2009-10-22
更新: 2009-10-22

    組織には，必ず問題が起こる。
    実際，問題発生が組織のダイナミズムである。

    問題収拾の形はいろいろあるが，この一つに「責任者に対する懲戒処分」がある。
    そしてこの場合，「責任者」は定まらない。
    なぜか？
    組織に発生する問題は，《いろいろな者が，いろいろな形で，いろいろなカテゴリー関係で，問題に関わっている》という構造になるからだ。

    例として，学生が学外で性犯罪を犯した場合を考えよう。
    この学生がある運動サークルに所属していた場合，この運動サークルの顧問は懲戒処分対象者になるか？
    「役職の不作為」を理由にした懲戒処分があたらないことは， 既に述べた。(「役職の不作為」の規準) そしてこの懲戒処分があたらないもう一つの理由が，《いろいろな者が，いろいろな形で，いろいろなカテゴリー関係で，この問題学生に関わっている》という事実である。一人を懲戒処分対象者にしたら，みなが懲戒処分対象者になる。