Up 母集団・母数の推定 作成: 2014-06-06
更新: 2014-06-07


正規分布

  • 「母集団・母数の推定」

  • 大数の法則
  • 中心極限定理

  • 母平均の推定
  • 母比率の推定



    • 標本は,「標本」として妥当であることが証明されねばならない。
      「標本」として妥当であるとは,「偏りのない抽出」になっているということである。
      実際,「標本」のことばには,「偏りのない抽出」が含意されている。
      「偏りのない抽出」でなければ「標本」と称してはならない,ということである。
      こうして,「標本」の妥当性の証明は,「偏りのない抽出」になっていることの証明である。

      「偏りのない抽出」の証明に際しては,ひとは暗黙に一つの経験則に立つ。
      それは「大数の法則」である。
      というより,「大数の法則」しかひとは拠って立つものをもっていない,と言う方が当たっている。

      つぎが,「大数の法則」である:
        <抽出数10個>同士を比べると,標本としてのバラツキが目立つ。
          ──よって,<抽出数10個>の「標本」は,信用できない。
        <抽出数100個>同士を比べると,バラツキがずいぶんと鎮まってくる。
          ──よって,<抽出数100個>の「標本」は,いくぶん信用できる。
        <抽出数1000個>同士を比べるときは,バラツキがまったく目立たない。
          ──よって,<抽出数1000個>の「標本」は,信用できる。

      こうして,標本は抽出数が多いほどよいということになるが,これはハイコストになる。
      望むのは,ローコスト・ローリスクである。
      そこで,つぎを問題として立てることになる:
        《抽出数がn個の場合の,リスク度は?》
        《抽出数何個が,「ローコスト・ローリスク」の実現か?》

      ここに「標本調査」の主題は,数学になる。
      「母集合・母数の推定」の中身の中心は「リスク度の算定」である。
      そしてその数学は,「正規分布近似」である。




      「標本調査」@Wikipedia から引用:
        伝統的な標本調査は、標本から中心極限定理と正規分布近似(場合によっては正規分布によらないノンパラメトリック推定も利用できる)を利用して、母集団と母数を推定することで行う。これは計画に基づく抽出といわれる。
        現代的な方法としては、抽出過程からベイズ推定などを用いてモデルを作る、モデルに基づく抽出がある。この方法は標本サイズが小さいときに実用的であるが、モデルの前提の正しさを確認しておく必要がある。