Up | このテキストの読み方 | 作成: 2007-05-01 更新: 2007-05-03 |
しかし「必要最小限のこと」にとどめても,読者によっては負担のある分量になるでしょう。 そこで,「とばし読み」の方法を示すことにします。 「とばし読み」は,つぎの優先順位に従ってください: ● → ● → ○
以下,この内容構成について,4点説明します。 1. 自然数に関する内容が僅かでしかも優先順位が低いことについて 新しい数は,既にある数を構成要素にしてつくられます。 建物の喩えで言うと,ユニットの形で与えられている建材を組み合わせるという感じです。 さて,自然数はすべての数の出発点になります。 そこで,自然数の話は「建材を無いところからつくる」話が主要になります。 これは重要な内容ですが,このテキストの主題は「数とはどういうものか?」の問いに形/構造で答えるというものです。よって,「建材づくり」の内容をカットした方が,話全体の見通しがよくなります。 よって,建物の形/構造の話にいちおう慣れたところで,建材づくりの内容に入ることを勧めます。 これが,「とばし読み」で自然数の優先順位を低くしていることの理由です。 2. 数の積を,数の和よりも先に扱っていることについて 形式としては,積の方が和よりも簡単になります。 したがって,積を和よりも先に取り上げています。 ただし,自然数では,求積公式が和を用いることになり,求和アルゴリズム → 求積公式 の順の扱いになります。 他の数 (分数,正負の数,複素数) では,積と和は互いに独立しています。 3. 求積・求和公式で,分数が最後になっていることについて 求積・求和公式は,分数の場合が最も複雑になります。 よって,分数を最後にもってきています。 4. 商と差をいっしょに扱っていることについて 商と差の定め方は,同型になります。したがって,まとめて取り上げています。 ただし,正負の数の求和公式では分数の差も出てきますので,この意味では,扱う順序が前後しています。 |