Up 数学は「数は量の比」, 学校数学は「数は量の抽象」
── 学校数学はなぜ「数は量の抽象」を択ったのか? ──
作成: 2007-10-05
更新: 2010-06-14


小学算数/学校数学は,これまでずっと「数は量の抽象」であり,「数は量の比」ではない。 一方,数学は「数は量の比」であり,「数は量の抽象」は数学ではない。 すなわち,小学算数/学校数学の「数と量」の主題領域が,これまでずっと数学でないままになっている。

つぎと併せて読んでください:
  『量とは何か──「量」の数学』
本論考は「数・量」の数学を含みます。この「数・量」の数学が読めるためには,ある程度,予備知識が必要になります。 つぎのオンラインブックを読んでみてください:
  『「数とは何か?」への答え』
また,つぎのページから「数・量」の数学に関する全文書にアクセスできます:
  「そもそも数とは?」の教授/学習
「数・量」の数学的定式化の形を予め見ておきたければ:
  「数・量」の数学的定義

オンラインブック版
PDF 2.6 MB

作成: 2008-12-08
更新: 2010-12-06


作成/更新履歴
  • 革命思想としての「数は量の抽象」 (11-09-12)
  • 「数のいろいろは,量のいろいろに応じている 」
       の節の内容更新 (10-12-06)
  • オンラインブック化 (08-12-08)


  • 「数」がわかる本 シリーズ



       
     0. 導 入

     0.0 はじめに
     0.1 概要
     0.2 鳥瞰図 (「積・商の立式」のロジック)


     1. 数学では,「数は量の比」

     1.0 要旨

     1.1 学校数学の ×, ÷ の用法は,数学ではない
      1.1.0 要旨
      1.1.1 <倍の合成>を構造とする問題の解法
      1.1.2 「割合の問題の解法」(「数は量の抽象」の立場)

     1.2 「数・量」の数学
      1.2.0 要旨
      1.2.1 数のいろいろは,量のいろいろに応じている
      1.2.2 数は「量の比」であり,「量の抽象」ではない
      1.2.3 量は「外延量と内包量」ではない
      1.2.4 量は数を通して対象化される
      1.2.5 参考 :「数」の数学的定義

     1.3 数学の ×, ÷ の文法
      1.3.0 要旨
      1.3.1 「わり算」は,数一般において定義される
      1.3.2 わり算は「包含除と等分除」ではない
      1.3.3 「量×量」というものはない


     2. 「1と見る」の数学

     2.0 要旨

     2.1「1と見る」の数学
      2.1.1 「1と見る」の数学
      2.1.2 「量としての数」: 量の普遍対象

     2.2「1と見る」の無用
      2.2.0 要旨
      2.2.1 「1と見る」がもたらす混沌
      2.2.2 「1と見る」は,「数は量の抽象」主義の満足のため
      2.2.3 「1と見る」は,やめるべき
      2.2.4 「1と見る」をやめるとは,何をすること?


     3. 「数は量の抽象」とはどのような論か?

     3.0 要旨

     3.1 「数は量の抽象」論の内容
      3.1.0 要旨
      3.1.1数は抽象,量は具体
      3.1.2量には内包量と外延量がある
      3.1.3数の積は量の積の抽象
      3.1.4数指導はタイルで
      3.1.5割り算には等分除と包含除がある
      3.1.6形式不易の原理
      3.1.71と見る

     3.2 「数は量の抽象」の荒唐無稽は,なぜ起こり得た?
      3.2.0 要旨
      3.2.1 準備 :「数・量」の数学
      3.2.2 「数は量の抽象」の歴史的背景
      3.2.3 「数は量の抽象」の遠山の言説
      3.2.4 没論理の核心 :「実体から関係へ
      3.2.5 無理な姿勢は,荒唐無稽を生む


     4. 学校数学は「数は量の抽象」を択る

     4.0 要旨

     4.1 学校数学は「数は量の抽象」を択る
      4.1.0 要旨
      4.1.1 学校数学は「数は量の抽象」を択る
      4.1.2 なぜ「数は量の抽象」の方を択ったのか?

     4.2 「数は量の抽象」を択ることのリターン
      4.2.0 要旨
      4.2.1 没論理が数学として教えられる
      4.2.2 不具合はやり過ごすしかない

     4.3 「数は量の抽象」がすべてになる
      4.3.0 要旨
      4.3.1 「数は量の比」の世代的忘却
      4.3.2数学から見た学校数学


     5. 量計算の数学

     5.0 要旨

     5.1 量計算の数学が知られないままに
      5.1.0 要旨
      5.1.1 論理を考えられないとき,「公式」適用の問題解答に
      5.1.2 論理の不得手が,「抽象」の短絡に惹かれる
      5.1.3 「量の問題を解く」を数学としてやらないことの報い
      5.1.4 量計算の数学が知られないままに

     5.2 確認 : 量計算問題の還元の実際──例 :「6÷3」の立式
      5.2.0 要旨
      5.2.1 「6÷3」の立式に至る問題の最終還元形
      5.2.2 「6m のひもを3本に等分すると,1本何m?」
      5.2.3 「6m のひもを何本に等分すると,1本3m?」
      5.2.4 「1ヤードは3フィート。6フィートは何ヤード?」
      5.2.5 「面積が6cm2,タテの長さ3cm の長方形のヨコの長さは?」
      5.2.6 「3km/h の移動で6km 進むのに要する時間は?」


     6. 「数は量の抽象」に対する学術的理解の寄せ方

     6.0 要旨

     6.1 革命思想としての「数は量の抽象」
      6.1.0 要旨
      6.1.1 数学の革命──数学を唯物論に基づかせる
      6.1.2 革命の構想
      6.1.3 革命の頓挫

     6.2 文化人類学的方法
      6.2.0 要旨
      6.2.1 「数は量の抽象」の文化人類学的論考の余地
      6.2.2 「数は量の抽象」の世界観
      6.2.3 「数は量の抽象」文化と<数学=外世界>


     7. 閉 じ

     7.0 おわりに